オプション検査を選ぶときにお悩みになったことはありませんか?

人間ドックを受けようとお考えの方の中には、コースに含まれる基本検査項目以外にもオプション検査をご希望される方も多くいらっしゃいます。オプション検査は受けなければならないわけではありません。ご自身で自由に選んでいただくことができる検査になります。
とは言っても、自由に選べるからこそ困ってしまうのではないでしょうか?
府中クリニックでもアンケートや予約時のお電話にてこのようなお声をいただきます。
例えば乳がんを調べる検査には『マンモグラフィ検査』と『乳腺超音波(エコー)検査』がありますので、どちらを受ければいいのかわからないとお困りの方がいらっしゃいます。
他にも、胃部内視鏡(カメラ)を受けて胃がんに注意しているけれど、そもそも胃がんの原因となるものを調べたいのにどのような検査があるのかわからない、とお悩みになられるようです。
特に『初めて健診を受ける』、『オプション検査を今まで付けたことがない』、『気になる症状はない』といった方は、何を基準にして選べばいいのかわからないのではないでしょうか?
そんなお悩みをお持ちの方へ、いろんな『基準』を基にしたオプション検査の選び方をお教えいたします。

全国のデータを見てみましょう

厚生労働省では毎年の人口動態を集計しており、2018年度の概況が先日公表されました。やはり『がん(悪性新生物)』が1位。続いて『心疾患』が2位、3位が『老衰』、4位が『脳血管疾患』、5位が『肺炎』となっています。
3位以降は順位の入れ替わりがありますが、がんと心疾患はずっと1位と2位。しかも健康意識が高まっている今でもなお増加しているという点が見逃せません。特にがんは初期の症状がないことも多く、症状が出たときにはすでに進行していたという事例もあり、これが死因の増加に繋がっているのかもしれません。
がんでも心疾患でもどのような病気でも、かかっている場合は早期に発見し、早期に治療することが一番です。
そこで今回はこの『全国データ』を基にしてオプションを選んでみましょう。

肺・胃・大腸がんを調べるオプションは?

男性・女性共に多いのが『肺がん』。次いで『胃がん』『大腸がん』です。
胃がんは男性・女性ともに低下していていいことなのですが、対照的に肺がんと大腸がんは増加していますね。
ではこの3つのがんを調べるオプションは?
肺がんオプション①

胸部CT

肺がんオプション②

腫瘍マーカー(CYFRA・ProGRP)

肺がんの診断には特に欠かせない検査です。胸部X線よりも詳しく、胸部X線では映らない場合でもCTであれば捉えることができます。
さらに死因の5位に上がっている肺炎についても有効ですので、併せて調べられるという利点も。
がん細胞が作り出す特異な物質を検出することで判定します。
注意しなければならないのは、陽性となってもがんと確定したわけではないということ。というのも、CYFRAやProGRPは子宮や甲状腺などでも反応することがあるためです。腫瘍マーカーはあくまで1つの目安として用い、胸部CTなどと併用することが効果的です。
胃がんオプション①

胃透視

胃がんオプション②

胃内視鏡(カメラ)

白い造影剤(バリウム)を飲むことで、胃の内側の粘膜を白く写し出せるようにして調べる検査です。ポリープや胃潰瘍などにより隆起したり凹んだりしていると、上図のように写ります。
口もしくは鼻からカメラを差し込み、直接胃の中を観察して調べる検査です。色の変化や早期胃がんのようなわずかな粘膜の凸凹でも捉えることができます。
胃がんオプション③

ピロリ菌

胃がんオプション④

ペプシノーゲン

採血で行う検査で、抗ヘリコバクターIgG抗体検査とも言います。胃がんの原因になることが非常に多いピロリ菌を調べます。陽性の場合は医療機関で除菌治療を行うことになります。
採血で行う検査です。胃がんに進展しかねない萎縮性胃炎を見つけることで胃がんの早期発見や予防を目的としています。
胃がんオプション⑤

胃がんリスク

大腸がんオプション

大腸内視鏡(カメラ)

採血で行う検査です。ピロリ菌(抗ヘリコバクターIgG抗体)検査とペプシノーゲン検査を組み合わせて調べ、胃がんになりやすさをA~Dで判定します。
内視鏡を肛門から挿入して、直腸から盲腸までの大腸全体を詳しく調べることができます。

心疾患の中で一番多い心不全を調べるオプションは?

心疾患のうち、実に40%が『心不全』です。
心不全とは1つの病気ではなく、心臓の能力低下で起きる異常な状態のこと。不整脈や心筋梗塞、高血圧など心臓の病気や生活習慣、ストレスなどにより、負担がかかった状態が最終的に至る一種の『症候群』です。
今かかっている心疾患を確実に治療することが大切です。
心不全オプション①

心臓エコー

心不全オプション②

BNP

心臓の働き具合や血液の流れがわかります。心不全の原因となる、心臓弁膜症・心筋梗塞・心筋症などの発見に強い。
以下のような症状が見られる方におすすめします。
・高血圧、肥満の方
・息切れやむくみのある方
・動悸のある方
・心雑音がある方
血管を広げる作用のあるホルモン。心臓に負担がかかると、心臓が自分を守るために出すため、高い値が出れば、心臓に負担がかかっているということがわかります。
非常に感度がいいため、心臓の異常を素早く発見できます。